時々、「この病気に関して漢方はどうですか?」などの東洋医学に関する質問をされることがありますが、わたしは東洋医学のことはサッパリわかりません。
ただ、東洋医学では科学的検査はあまりしないようです。あまりというよりも、全くしないようです。
その代わり話をよく聞く、診察(東洋医学では診察とわ言わない?)をじっくりするようです。
そして、その患者さんに合わせた治療・薬(漢方?)を処方するようです。科学的データの蓄積というより、経験則で診療するようです。
本場中国では東洋医学での科学的データの蓄積が試みられているようですが、日本国内ではデータをとる試みはされておらず、国内で動物が受ける東洋医学もデータに基づいたものではなさそうです。
さて、西洋医学、日本では医療といった方が良いでしょうか。みなさんが普段うけている医療はおそらくこちらです。
西洋医学はとにかくデータを重視します。今回の話は個々の患者さんから得られたデータの話ではありません。多くの患者さんから得られたデータの集合をどのように活かすか、についてです。
多くの患者さんから得られたデータを解析すると、
『この病気の集団にこの検査をしたら、正確に診断できていそうだ』
『この病気にはこの治療より、あっちの治療の方が良さそうだ』
『あの地域にこの病気が多い、あの地域に特有な事が原因なのでは?』
など、個々のデータではわからない新しい情報が得られます。
ただし、これらは『同じ病気と診断した集団』に対して『最も効果的である可能性のある治療』を選択するための情報であって、必ず全ての患者さんが治療に反応するわけではありません。
西洋医学は個々の患者を治すわけでは無く、人類の存続のためにある。
と言っても過言では無いでしょう。それを端的にあらわしているのが
ワクチン接種であって、
ワクチン接種は個々にはアレルギー等の副作用の可能性があるけれども、
集団感染率を下げることで、その集団を守ることができるのです。
ワクチン接種した集団 1人から2人に感染
ワクチン接種をしない集団 1人から4人に感染
と仮定すると
感染はねずみ算式に増えていくので、
感染が10回起こると、2の10乗(1024人)と4の10乗(104万人)とえらい差です。
ワクチン接種した集団は守られていますね。
ちなみにインフルエンザワクチンの副作用による死亡は1000万人に1人
インフルエンザ感染による死亡率は10万人に1人
ワクチン接種して感染しないほうが良いと思えます。
コロナウイルスによる肺炎が流行りつつありますが、
①ウイルスという病原物質がこの病気を起こしている
②飛沫による感染が起こる
③感染者を隔離することで、健康な人への感染を防ぐことができる(逆に感染者が拡散すると病気はひろがる)
これらも西洋医学の得意とする科学的研究・疫学データを基にしかわかりません。
人類の存続を目的とする(その結果病気を治す・予防する)西洋医学
目の前の患者さんを診て経験則でなんとかしようとする東洋医学
結論
・西洋医学は個々の患者だけではない「(患者の)(集団の存続」を目的とする
・東洋医学は病気どうこうよりも患者さん個々を診ている(のではないか)
・よって西洋医学で治らない→東洋医学をやってみる が良いのではないか
・(ワクチン等の)西洋医学的予防は「自分のため」ではなく「集団のため」
という結論に達しました。